特別支援学校卒業後の進路について

制度

特別支援学校卒業後の進路について

就職者、進学、教育訓練機関、社会福祉施設などがあります。それぞれどういったものなのか紹介します。

就職

年度にもよりますが特別支援学校卒業後の進路状況において、だいたい2~3割程度の方が就職されているようです。

主な就職先としては生産工場が多いようです。そもそも一般的に高卒の人は工場への就職というのが多いので、特別支援学校の生徒も必然的に多くなっているようです。

進学

特別支援学校を卒業後に進学する割合は、1~5%程度となっていてかなり低いのが現状です。

主な進学先は、大学や短期大学、特別支援学校高等部専攻科、高等学校専攻科です。

社会福祉施設などへ入所・通所

特別支援学校の卒業後に6割程度を占める進路は、社会福祉施設等への入所や通所です。

就労系支援事業所(就労継続支援A型・B型、就労移行支援事業所)が進路先となっております。 各就労系支援事業所については、以下から詳しく紹介します。

就労継続支援A型

就労継続支援A型は、一般的な雇用で就労するのが困難な障がい者に対して訓練や就労などの機会を提供する事業所です。

雇用契約を結んで利用するため、利用者には最低賃金が保証されます。 就労継続支援A型事業所には原則として利用期限は設けられていません。

雇用契約を締結していることで利用者には賃金が支払われるのも特徴で、令和4年度の平均時給は947円、1カ月の平均賃金は83,551 円で前年比102%ほどでした。

平成18年度の113,077円からは下落の一方で、平成26年度では66,412円となっており比較すると59%となっていますが、ここからは徐々に上昇して現在の数字となっております。

就労継続支援B型

就労継続支援B型は、一般企業や雇用契約を交わして就労することが困難な障がい者に就労の機会を提供する事業所です。

就労継続支援A型と同様に利用期限がなく本人が希望すれば長期に渡って利用できます。 雇用契約を結ばない点がA型とは異なり、非雇用型とも言われ最低賃金は保証されません。

利用者の障がい特性に配慮した仕事内容や作業時間を設定して、無理のない就労訓練などを提供します。 集中できなければ仕事を無理に続ける必要がなく、スタッフが個々に合った支援をしてくれます。

就労支援を提供している事業所のなかでは利用者がもっとも多いのも特徴です。

利用対象者は企業等に就労することが困難な者で、 継続的に就労することが困難な方です。 障がいの特性に合わせた支援を受けながら就労できるメリットがありますが、雇用契約がないために賃金は低い傾向にあります。

平成18年度の平均給与は一カ月で12,222円でした。令和2年度には少し下がりましたが、全体的には少々傾向にあります。令和4年度には17,031円まで増えました。

B型の給与はあくまでも工賃なので、実際にやった作業内容や作業量、物販での販売金額、休暇日数によって上下します。なので一般的な企業に勤めている方からすれば信じられないような月収ですが、人によっては1万円超えるだけの給与があれば十分な成果という感じです。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、企業への就職を目的に訓練を提供する通所型の施設です。

医療などの福祉施設と併用することもできます。就労移行支援事業所は全国に3,000以上あります。

利用期限は2年と決められているのが特徴で、24ヶ月を超えて利用するには、市区町村に申請し、審査を経て必要性が認められた場合に限ります。

就労移行支援事業所では、就職するための知識や技術が習得できるような支援が受けられます。利用できるのは、65歳未満の障がい者が一般企業に就職したいと希望する場合です。

2年以内に就職したい、体調に不安があるので短時間勤務から始めたいなど、一人ひとりの希望は異なるのが実情です。就労移行支援事業所では、個別の相談内容を踏まえて就職に向けての準備を進めます。

さまざまな企業での就労体験もできるので、実際に働いて自分に向いている仕事を知ることも可能です。合同面接会やハローワークなどで就職活動を行う際にはサポートが受けられます。

事業所によって活動や支援内容にはある程度の違いはありますが、就職に関する相談・支援、一般就労に近い体験ができる施設です。

生活介護

必要な介護を受けながら健康維持のための運動やリハビリに取り組んだり、生産・創作活動に打ち込んだりして日中をアクティブに過ごすことを支援する事業所です。

障害者支援施設が自施設の入所者に対し日中提供するケアから、自宅やグループホームからの通所者向けにサービスを提供するものまで、幅広い態様の事業所が存在し、活動内容も事業所によって様々です。

<支援内容例>
*日常生活における介護
食事・入浴・排泄の介助、医療的ケア
*生産・創作的活動
パン・焼菓子の製造・販売、内職作業、木工制作、絵画、陶芸、音楽鑑賞など
*健康維持・増進支援
散歩等軽運動、リハビリテーションなど

最後に

特別支援学校に通うお子さんは自分で将来を決めることが出来ない方も多いのではないでしょうか?

そうなればお子さんの将来に関わる重大な選択を親が代わりにしなくてはなりません。特別支援学校で事業所などの見学や説明会などがあると思います。
ぜひ参加して各事業所の長所や短所を調べて、お子さんに合うところはどこなのか判断できるようにしてください。

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